タナゴの繁殖
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1.タナゴの種類 2.タナゴの採集 3.タナゴの購入 4.タナゴの飼育 5.タナゴの繁殖 6.二 枚 貝

淡水魚倶楽部でタナゴの飼育を始めたのも、繁殖が他の淡水魚と異なり(但しヒガイはタナゴと同様の生態を持つ)特殊な繁殖生態を持っているからである。
一般の淡水魚の産卵は石・水草等に産み付けるか、卵を水中にばらまく方法で産卵行動を行い子孫を残す。
しかし、タナゴ類は淡水の二枚貝の鰓等に♀が輸卵管より卵を生み、♂が同じく二枚貝に放精する。
二枚貝の鰓に入った受精卵は約二日間で二枚貝の鰓等の中で孵化して約一ヶ月後に二枚貝より浮出する。
淡水魚倶楽部の”スイゲンゼニタナゴ”のページでも紹介しましたが、浮出した仔魚は淡水魚倶楽部でも繁殖している”メダカ””アヅマニシキ”等の仔魚と比較すると大きい(5〜6mm)、これはメダカ等は約一週間で孵化し孵化後の仔魚は卵黄を体に持っていて2〜3日はこの卵黄から栄養分を補っている。
タナゴ類は浮出した時には殆ど卵黄は無く、既に体型は未だ成魚に比較すると細いが成魚と同様な体型をしている。
ようするに二枚貝の中で卵から孵化した仔魚は一ヶ月間の間に卵黄より栄養を補っている。
二枚貝から浮出する時には外敵をかわす素早い動きが出きるようになっているのでしょう!!


@繁殖の準備
一種類毎に水槽を準備した方が良いと思います、混泳でも良いのですがどの種類のタナゴが産卵したのかが判りません。
淡水魚倶楽部ではスイゲンゼニタナゴの場合を例にとると、400水槽で六匹(♂×4、♀×2)の成魚を飼育しています。
この場合タナゴの習性である縄張り行動(繁殖時に♂が一つの二枚貝の周りにテリトリーを持つ)があり、一番強い♂が自分の気に入った二枚貝を占領する為、弱い♂は常に水槽の隅に追いやられてしまいます。
こうなると本来の繁殖の他の観賞目的である婚姻色もはっきりと出ず、最悪のパターンは食事の時にも隅に追いやられる結果となります。
淡水魚倶楽部では幸いにもそこまではいっていませんが、少なくとも追いやられる事は避けられません!!
あまり縄張り行動が激しい時には♂×1にしたほうが良いかもしれません。
又、♂が縄張り行動をしてばかりいると常に他の♂を追い払うことに重点がおかれ、産卵行動が乏しくなることも有ります。
産卵期の♂の状況を観察しながら水槽内の成魚数を調整した方が良いと思います。
しかし、この縄張り行動の時に見せる♂の威嚇動作である各鰭を一杯に広げるフィンスプレッディングは見事ですね!!
タナゴ観賞で一番見ごたえのある瞬間です。・・・・・・画像もこの一瞬がシャッターチャンスです。



A産卵行動
タナゴの♂は水槽内に入れた二枚貝のうち自分の気に入った二枚貝を決めると、@で記したように縄張り行動をします。
一方、輸卵管を長く伸ばした産卵準備の整った♀が二枚貝の近くに来ると、鰭を震わせたりして♀を二枚貝へ誘導する。
♂と♀はペアで二枚貝の出水管をじっと静止してみる行動をとります。
何故、出水管から卵を挿入するのかは、二枚貝の入水管には異常を感じ取るセンサーが有り、産卵時にタナゴの輸卵管が触れると閉じてしまうからです。
自然界で貝が閉じるのはこのセンサーで感じとっているのですね!!
二枚貝が出水管を開くと、♀は体を斜めにして一瞬の間に二枚貝に産卵します。
産卵後に♂は二枚貝の入水管付近に放精し、二枚貝の中で卵は受精します。
産卵行動は観察していると♂の縄張り行動から始まり、放精まで非常に興味深く観察出来ます。
水槽の前に何時間座って観察していても飽きません!!・・・・・タナゴの産卵行動は非常に面白いですね!!


『シロヒレタビラ』の♂が二枚貝選定

『シロヒレタビラ』の♂&♀の産卵行動

B浮出準備
淡水魚倶楽部の場合には浮出用水槽を準備してあります。
この水槽は300水槽×2個でスイゲンゼニタナゴとカゼトゲタナゴ用の二枚貝である、マツカサガイを収容するものと、タイリクバラタナゴをはじめとする他のタナゴ用のイシガイ・ドブガイ等を収容する水槽です。
水槽には以前は砂・子砂利を入れてありましたが、潜って二枚貝がお★様になってしまうと判らず、水が非常に汚れる為、現在は何も入れてありません!!
但し、エアーは強めに何時も添加して酸素の供給は怠りません。
飼育・産卵用の水槽から移動するタイミングは二枚貝を水槽に入れた時より三週間を目途に浮出用水槽に移動させています。
このページを書いている日(2001.07.29)には淡水魚倶楽部では最高の48匹のタナゴの仔魚が浮出していました。
移動させる時の注意事項は二枚貝を必ず水槽の水と一緒にボール等に取り出し、浮出用水槽に移す時は必ず水合わせを十分にしてから移動させています。・・・・・急激な移動等は二枚貝内の卵及び仔魚が吐出される事がありますので注意が必要です。
タナゴ同様にデリケートなので仔魚を確保する為には細心の注意が必要です。

C仔魚の飼育
飼育・産卵水槽より移動した二枚貝の水槽は毎日、仔魚が浮出していないか観察してあげましょう!!
浮出水槽には餌が無いので、浮出した仔魚は別の水槽に移します、この水槽は淡水魚倶楽部では250水槽を使用していますが、ショップ又はホームセンター等で販売している小さいプラケースでも十分です。
仔魚の数量にもよりますが、先ずはエアー等は必要ありません、10mm以上に生育したらスポンジアィルター等でエアーレーションをしてあげましょう!!
浮出したての仔魚の餌はブラインシュリンプ(冷凍でもOK)・アルテミア・ミジンコの小さいもの・ひかりパピィー(粉末)・グッピーフード稚魚用又はタナゴの餌をすり鉢等で粉上にしたもの等が良いと思います。
1ヶ月程度して10mm前後に成長したらミジンコ(冷凍でもOK)、その他、淡水魚倶楽部では色々な乾燥餌をすりつぶして与えています。
生き餌である、イトミミズをナイフで刻んだものなども最高のご馳走でしょう!!・・・・・夏場はイトミミズの管理に注意しましょう!!(腐敗が早い)
くれぐれも食べ残し餌が無いように与えましょう!!『ミナミヌマエビ』を同居させておくと食べ残し又は底に落ちた餌を処分してくれます。

水槽の水は一週間に一度程度交換(1/3程度)してあげましょう!!

浮出後1週間(上水槽) 浮出後2週間(右下水槽) 浮出後3週間(左下水槽) 画像取得水槽
浮出後、一週間目のタナゴの画像です。未だタナゴらしい体型にはなっておらず細長い。
タナゴ特有の背鰭の黒点はある。
ミニプラケースなので若干くもりがちです。(6〜8mm程度)
誕生日:2001.08.08(15匹)
浮出後、二週間目のタナゴの画像です。既に若干タナゴらしき体高に成って来ている。
食事も豪快に良く食べて、お腹はパンパンです。(7〜12mm程度)
成長に個体差が出始める。
誕生日:2001.08.01(52匹)
浮出後、三週間目のタナゴの画像です。完全にタナゴの体型になっています。
二週間目の仔魚より更に成長度合いが固体により差がでてきます。
”トビ”は金魚と同様にいるのです。
誕生日:2001.07.25(18匹)
水槽の掃除・引越しをした時に記念に撮影をしました。
ミニプラケースはフィルターなし。
200キューブ水槽はミニ投げ込み式フィルター。
水温は27〜29℃です。
(PHOTO:2001.08.15)

D輸卵管の中の卵:2005.03.15
久々に『タナゴのページ』を更新します。
♪もう直ぐ春〜♪ですね〜♪ではないですが、そろそろ春型産卵『タナゴ』の産卵準備をなされておられるタナゴ愛好家の皆様も大勢いると思います。
そこで今回の更新は淡水魚倶楽部で観察した未公開であった色々なタナゴ産卵に関する画像をアップしたいと思います。
少しでもタナゴ飼育・観察をなさっておられる皆様のお役に立てば幸いです。
先ずは『タナゴ』が二枚貝に産卵する時の長く伸ばした輸卵管にある卵画像です。
皆様も観察した事がありますかね???
淡水魚倶楽部でもなかなかこの様な画像を撮るチャンスがないのですが、昨年の12月に室内900水槽にてたまたま『シロヒレタビラ』が産卵時に輸卵管内に2つの卵が残っている場面を観察出来ましたのでパチリ!!

シロヒレタビラの輸卵管内卵×2


Eタナゴの卵:
2007.03.15
次の更新画像は運悪く産卵用二枚貝に上手くタナゴが産卵できずに二枚貝外に落ちてしまった卵画像です。
また時には産卵済みの二枚貝を仔魚孵出用水槽に移動させる時等に起きることなのですが、閉じる際に勢いで卵が排出されてしまう事故です。
これは二枚貝を移動させる時のもっとも注意をしなくてはいけないことです、ではどのようにしたら良いかと言う事ですが、移動時には静かに貝が閉まるようにしてあげなくてはいけません。
要するに水槽内でそっと二枚貝に触れてから、閉じたことを確認してから移動させましょう!!
開いている二枚貝をいきなり移動させてはいけません、また水温の変化にもお魚移動と同様に同水温水槽に移動させるようにしましょう!!
今回は不運にも二枚貝の外に出てしまった『シロヒレタビラ』・『スイゲンゼニタナゴ』・『アブラボテ』の卵画像をアップします。
この様な卵を孵化させる為には一度煮沸して雑菌を排除し、同水温にしてから孵化用シャーレ等で観察するのも面白いですね!!

『シロヒレタビラ』の卵 
『スイゲンゼニタナゴ』の卵 
『アブラボテ』の卵 ↓


F-1 二枚貝鰓葉腔の仔魚たち PARTT:
2005.03.15
次の更新画像はいよいよ皆様も二枚貝の鰓の中に産卵された卵、または鰓の中で孵化した仔魚の姿を見たくても二枚貝を開けて見ることはなかなか出来ないように思います。
この画像はたまたまタナゴが産卵した二枚貝がお★様になってしまい、直ぐに開けて鰓の中を観察した画像です。
二枚貝が元気に生きている時にも特殊器具にて産卵された卵または孵化した仔魚を観察する手段はあるのですが、二枚貝が弱ったり最悪お★様になってしまうかも知れませんのでなかなか実行する事は至難ですね!!

カワシンジュガイ鰓葉腔中の『シロヒレタビラ』の仔魚


F-2 二枚貝鰓葉腔の仔魚たち PARTU: 2007.09.12
『ニッポンバラタナゴ』の二枚貝内仔魚の画像を撮影出来ましたのでアップします。
今回は特に二枚貝の中に産み込まれた卵が吐き出されないように”翼状突起”が形成された仔魚の画像です。
既に”翼状突起”以外にも卵黄の形も細長く変化して血液も解りますね!!また先端の半透明部(右側)には眼も形成されているのが解ります。

『ニッポンバラタナゴ』の仔魚 ↓

こちらは二枚貝のなかの卵&仔魚

既に翼状突起と卵黄に流れる血液も観察できます。



G『シロヒレタビラ』の幼魚たち:2005.03.15

次の更新画像は2004.05に撮影した『シロヒレタビラ』の稚魚たちです。
『淡水魚倶楽部』では過去に次ページでご紹介している色々な二枚貝を駆使して『タナゴ』の産卵・孵出を観察して来ましたが、昨年度は”神奈川県水産総合研究所 内水面試験場”の勝呂主任研究員殿の内水面試験場内での『ミヤコタナゴ』繁殖に”カワシュンジュガイ”を使用しているとのご教授を承り『淡水魚倶楽部』においても試してみました。
この”カワシュンジュガイ”は非常に卵の抱擁力もあり、また開く頻度も非常に他の二枚貝に比較して早いのが良いのでは?
但し、水温上昇には他の二枚貝に比較すると若干弱い傾向にありますので要注意です。
昨年度の試用は見事に成功!!
驚くべき『シロヒレタビラ』の産卵⇒孵出⇒成長を観察する事が出来ました。・・・・・・・その数、約450程度でした。
『淡水魚倶楽部』お奨めの二枚貝です、今年は他の『タナゴ』の産卵にも使用してみる予定です。

孵出後、約一ヶ月経過した『シロヒレタビラ』の幼魚たち


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